力が入りすぎると変化を感じづらい
動きを良くしたいと思うと
・とにかく運動が必要
・力が足りないんじゃないか?
と思うことが多いのではないでしょうか?
確かに筋力は重力に抗するのに必要ですし、スポーツで高いパフォーマンスを引き出すためには必要です。
ですが、日常的な生活動作では、必要以上の筋力は必要ないことがほとんどです。
北海道札幌市で脳梗塞・脳出血の脳卒中を専門に自費リハビリをさせていただいております「脳とカラダの研究所」の藤橋亮介です。
本日は、力が入りすぎることでおこることをお話ししていきたいと思います。
筋力がどれくらい必要か
筋肉が伸び縮みすることで、関節が動き、体が動きます。
筋力がないと体は動きません。
病気になったり、怪我をしたり、使わないでいると、筋力が低下し、体の動きが鈍くなります。
その原因を探すために、リハビリでは筋力を確認することが多いですよね。
一般的にこの検査をマニュアルマッスルテスティング(MMT)と言います。
強さの程度は、6段階で評価されます。
| 5 | Normal | 強い抵抗を加えても、運動域全体にわたって動かせる |
| 4 | Good | 抵抗を加えても、運動域全体にわたって動かせる |
| 3 | Fair | 抵抗を加えなければ重力に抗して、運動域全体にわたって動かせる |
| 2 | Poor | 重力を除去すれば、運動域全体にわたって動かせる |
| 1 | Trace | 筋の収縮がわずかに認められるだけで、関節運動は起こらない |
| 0 | Zero | 筋の収縮は認められない |
実際にMMT5レベルが「正常」とされていますが、健常人でも正確に行おうとすると、5がつかない場合が多いです。
この検査は、関節を分類し、それぞれの運動方向に対する力を見るものです。
例えば、股関節の屈曲や股関節の外転、肩関節の屈曲や、肘関節の屈曲など、それぞれの運動方向に対する筋力を測ります。
しかし実際には、一つの関節を動かすことにはあまり意味がないといえます。
単関節よりも全身で
身体の運動は全身運動なので、全身の関係性で成り立っています。
一つの関節だけ動かしているつもりでも、全身の関節が関与しております。
股関節の屈曲を考えてみましょう。
股関節の屈曲は、座った状態で片足の膝を上に持ち上げる動きです。
この動きにもさまざまな他の関節が関与しています。
足を上げるときに、左右のお尻の体重を変えてみてください。
・左のお尻に体重を感じながら、左足を上げる
・右のお尻に体重を感じながら、左足を上げる
どちらの方が左足があげやすくなったでしょうか?
足を上げるときの、左右のお尻の体重が変化するすることで、足の力の入りやすさ・入りにくさは大きく変化します。
このときに、足の筋力がないと思って筋力を鍛えても、あまり意味のないことになってしまいます。
上手な体の使い方ができているかどうかが筋力に影響を与えます。
筋力が邪魔をするもの
MMTでいうと3〜4レベルあれば、基本的には困ることは少ないと思います。
むしろ、体の動きにくさは、余計なところに力が入りすぎている場合が多いです。
そして、力が入りすぎることによって、邪魔されることがあります。
それが感覚です。
同じ感覚でも、力が入っている(筋の緊張が高い)場合は、感触は鈍くなります。
同じペンの重さでも、
辞書のような重い本を持ってその上にペンを乗せるのと
軽いノートを持ってその上にペンを乗せるのでは
ペンの重みの感じ方が違います。
つまり、力が入りすぎることで、変化に気づきづらくなります。
変化に気付けなくなると、変化を起こしづらくもなります。
つまり、体の動きも変わりづらいです。
筋力がある程度確保されているのであれば、力を鍛えるよりも、変化を感じられる体になる方が遥かに効率的で、脳にとって良い刺激になりますよ。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。

