身体から見る血圧の話
高血圧
というと、多くの人が「薬で下げるもの」と思っていませんか?
高血圧のほとんどは降圧薬でコントロールされ、長期的に服用する人がほとんどですね。しかし身体を評価していると、血圧と身体の状態にはある程度の傾向が見えてきます。
高血圧の基本的な原因
医学的に高血圧の多くは「本態性高血圧」と呼ばれます。
これは単一の原因ではなく、複数の要因が重なって起こります。
主な要因は次の通りです。
- 遺伝的要因
- 塩分摂取量
- 肥満
- 運動不足
- ストレス
- 交感神経の亢進
- 血管の硬化
- ホルモンの影響
このため、薬だけでなく
- 食事
- 運動
- 睡眠
- 体重管理
といった生活習慣の改善はもちろん重要になります。
降圧薬は必ず一生飲むのか
高血圧の人は降圧薬を長期間服用するケースが多いですが、
必ずしも「一生続ける」わけではありません。
例えば次のような改善があると、薬の減量や中止が検討されることもあります。
- 体重減少
- 運動習慣の確立
- 塩分制限
- 睡眠の改善
- ストレスの軽減
ただし自己判断で中止することは危険なので、必ず医師の管理下で行う必要があります。
高血圧と身体の状態
理学療法や整体の臨床では、高血圧の人にある程度共通した身体の特徴が見られることがあります。
これは直接の原因とは言えませんが、
自律神経や呼吸機能を通して血圧に影響している可能性があります。
よく見られる特徴は次のようなものです。
1. 胸郭が硬い
- 肋骨の動きが小さい
- 呼吸が浅い
- 胸椎の伸展が少ない
胸郭の可動性が低いと横隔膜の動きが制限され、
呼吸が浅くなり交感神経優位になりやすいと考えられます。
2. 横隔膜の機能低下
横隔膜は呼吸だけでなく
- 自律神経
- 腹圧
- 内臓循環
にも影響する重要な筋肉です。
横隔膜が十分に動かないと
- 呼吸が浅くなる
- 腹圧が不安定になる
- 自律神経の調整が乱れる
といった状態が起こりやすくなります。
3. 側腹部(体幹側面)の緊張
体幹側面には
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 腹横筋
- 腰方形筋
などがあり、体幹の安定や呼吸に関係します。
ここが硬くなると
- 胸郭の動きが制限される
- 横隔膜の運動が減る
結果として呼吸が浅くなる可能性があります。
4. 胸腰筋膜の緊張
背中から側腹にかけて広がる胸腰筋膜は
- 脊柱起立筋
- 広背筋
- 腹筋群
と連動しています。
この部分の緊張が強いと
- 体幹の可動性低下
- 呼吸制限
が起こりやすくなります。
5. 股関節内転筋の緊張
内転筋群は骨盤の安定に関わる筋肉で
- 骨盤底筋群
- 腹横筋
- 横隔膜
と機能的に協調しています。
この筋群が強く緊張している場合
- 骨盤の可動性低下
- 腹圧バランスの崩れ
などが見られることがあります。
身体の連鎖という考え方
筋肉や筋膜は単独ではなく、全身で連鎖しています。
例えば体幹の側面では
- 前鋸筋
- 外腹斜筋
- 腸腰筋
- 中殿筋
などが連動し、体幹の安定や呼吸に関わっています。
これらの機能が乱れると
- 呼吸の質
- 自律神経の状態
に影響する可能性があります。
まとめ
高血圧は基本的に
- 血管
- 自律神経
- ホルモン
- 生活習慣
が関係する疾患です。
しかし身体を観察すると
- 胸郭の硬さ
- 呼吸の浅さ
- 体幹側面の緊張
- 股関節周囲の硬さ
といった特徴が見られることも少なくありません。
薬物治療は非常に重要ですが、
同時に
- 呼吸
- 姿勢
- 身体の柔軟性
といった身体機能を整えることも、
長期的な健康管理の一つの要素になる可能性があります。
※本記事は身体機能の視点からの考察であり、
高血圧の診断・治療は医師の管理のもとで行う必要があります。
筆者プロフィール

理学療法士 脳とカラダの研究所 代表
藤橋 亮介(ふじはし りょうすけ)
〜経歴〜
2011年 理学療法士 国家資格取得
札幌市 脳神経外科病院に勤務
2014年 大阪府 認知神経リハビリテーションセンターに勤務
2015年 奈良県 ニューロリハビリテーションセンター
健康科学研究科(大学院)に入学
2017年 修士 取得
2019年 札幌市に戻る
児童発達支援・放課後デイサービス 事業所に勤務
2020年 独立し、「脳とカラダの研究所」 を開業

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