自律神経① 交感神経は生きるために
自律神経は、自分では意識して制御できない神経で、私たちの体を生かしてくれている神経です。
その神経がうまく働かないと、体に不調が・・・。
最近、割と新しい、ポリヴェーカル理論とともにご紹介いたします。
北海道札幌市で脳梗塞・脳出血の脳卒中を専門に自費リハビリをさせていただいております「脳とカラダの研究所」の藤橋亮介です。
訓練の効果をしっかり出すためにも継続させるためにも、自律神経が整っている状態が重要です。
交感神経や副交感神経について、ポリヴェーカル理論を学んでみましょう！
自律神経の役割
まずはじめに、自律神経は、私たちの体を健康な状態に維持して、生かしてくれている神経です。
主に、内臓を正常に働かせてくれています。
例えば、心臓。心臓は単体で拍動して血液を全身に運んでくれています。
運動したりして体の細胞にエネルギーが足りないときは、拍動を速くしたり、血圧を上げて全身に血液を送ってくれますが、この時に脈拍や血圧を調整してくれているための神経が自律神経です。
他にも、食べ物を消化した時に、胃や腸を動かしてくれたり、消化液を出すこともしてくれます。
体に溜まった、水分を尿として排出したりするのも自律神経の働きです。
このように、体の機能を一定に維持しつつ、24時間、自動的に調整してくれている神経が自律神経です。
目的
自律神経は、人間だけでなく、爬虫類や魚類にもすべての生物に備わっています。
生命を維持していい状態を保ってくれるということは当然ですが、もっと前に、「生きる」という欲求を自動的に叶えてくれる神経でもあります。
つまり、身の危険が迫った時に、闘う・逃げる。死なないための体の状態を整えてくれる。という意味が強いです。
闘うためには、しっかりと目が見えるようにしてくれます。（瞳孔が開く）
筋肉に栄養を送って動きやすいように血流を増やします。（心拍数の増大）
消化は必要ないので、胃や腸の動きは止めます。（消化機能抑制）
おしっこも必要ないので溜めておきます（膀胱弛緩）
などなど、危険から身を守るための体の反応をしてくれることで、生存確率をあげるわけですね。
これらの反応は交感神経が優位になった状態です。
交感神経優位
交感神経は、日常的に優位となります。
特に、社会生活を送っていく上で、他者との関係や社会的な立場によっても、緊張したり興奮してしまうことはよくあります。
命の危機までいかなくても、そのような状態になると闘争・逃走状態になり、交感神経が優位となってしまいます。
また、モノの捉え方や考え方、人の価値観によっても交感神経が優位となっている人が多い状態です。
もれなく私もその傾向になるでしょう。
なにが良くないのか？
体を守るための反応は良い反応です。
しかし、それが長く続いてしまうことがよくありません。
体が常に何かと戦っている状態では、体は休めません。
免疫力が低下したり、回復が遅れます。
そして、新しいことを学ぼうとする学習に関わる機能もうまく働いてくれません。
そもそもの病気の原因となってしまうことが多いのですね。
どうしたらいいか？
交感神経と反対の副交感神経をうまく働かせてあげる必要があります。
そうすることで、体はリラックスした状態となり、免疫力も上がり、体の回復力を高めてくれます。
しかし、このポリヴェーカル理論では、副交感神経について新たな見解を示唆してくれています。
それはどんなことなのか？
どうしたら副交感神経を優位にしてあげられるのかは、次回お話ししたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
筆者プロフィール
理学療法士 脳とカラダの研究所 代表
藤橋 亮介（ふじはし りょうすけ）
〜経歴〜
2011年 理学療法士 国家資格取得
札幌市の脳神経外科病院に勤務
2014年 大阪府 認知神経リハビリテーションセンターに勤務
2015年 奈良県 ニューロリハビリテーションセンター
健康科学研究科（大学院）に入学
2017年 修士 取得
2019年 札幌市に戻る
こども発達研究センターに勤務
2020年 独立し、「脳とカラダの研究所」 を開業
脳卒中後遺症を専門に、あきらめない方のためにそれぞれの脳のクセにあったオーダーメイドの脳のリハビリを提供する自費リハビリをおこなっている。
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