間違いに気づくこと
これまで右片麻痺の特徴でもある「失行症」についてお話をしてきました。
右片麻痺の多くは症状の軽い失行症という症状を持っていることが多いです。
失行症の特徴としては、運動や感覚の障害はない(もしくは少ない)のに、うまく運動が行えない。ことです。
その特徴の一つに、自分の間違いに気づきにくいということがあります。(前回のブログを読んでみてください)
北海道札幌市で脳梗塞・脳出血の脳卒中を専門に自費リハビリをさせていただいております「脳とカラダの研究所」の藤橋亮介です。
今回は、そもそも通常はどのようにして、自分の運動の間違いに気づくのかをお話ししていきます。
どこが動いているのかわからない
なんとなく動いているつもりでも、自分の体のどの部分が運動をおこなっているのかわからないことがほとんどです。
その動いている部分がわからずに、間違いに気づくことはできません。
そして、間違った運動をいくら繰り返しても、間違った動きが余計強くなってしまうだけなので、新しい動きへは変化しません。
まずは、どの部分の関節か(体の動く部分は必ず骨と骨の繋ぎ目【関節】です)をしっかりを確認する必要があります。
運動の目的や意味がわからない
間違いを探すときには何かの変化を見つけることが必要です。
まずは、「視覚」
視覚は、見て間違いを探すことです。どこの動きが違うかなどをしっかり見て違いを判断します。
例えば、目の前にあるコップに手を伸ばすときに、どこが動けばいいかわからない。
そして、そのコップの大きさや形に合わせて、手の向きや、指の開き具合が変わることがわからない。
手を横に振ると、相手はこっちに向かってきますか?それとも、離れていきますか?
手を横に振る動作は、「おいでおいで」ですか? それとも「バイバイ」ですか?
そのようなことわからないということが起きているため、体はそれなりに動いた(麻痺は少ない)としても、なんのために動いているのかわからないことが多いです。
まとめ
このようなことから、なんとなく自然にわかるようなことが難しくなっていることにまず気づいてもらうことが必要になります。
人は誰しも自分の間違いに気づきにくいものです。
他者から見ると間違った動きも、間違った行為(おこない)も、自分ではなかなか気づきにくいものです。
それが脳の仕組みなので仕方ないですが、そこにどのように気づけるようにアクセスしていくかがポイントとなります。
いかがでしょうか?
訓練自体は実際にやってみないとわからないことも多いと思いますが、自分で間違いに気づいていくプロセスの重要性が自分自身で気づいていかないと、どのような場合においても体が良くなりということはありません。
誰かに直してもらおう、完全受け身の治療というものは、お医者様がする切ったり貼ったりの構造を変える方法のみです。
一方的に与えるだけのリハビリの意味もセラピストも考えていかなければいけないですね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
筆者プロフィール
理学療法士 脳とカラダの研究所 代表
藤橋 亮介(ふじはし りょうすけ)
〜経歴〜
2011年 理学療法士 国家資格取得
札幌市の脳神経外科病院に勤務
2014年 大阪府 認知神経リハビリテーションセンターに勤務
2015年 奈良県 ニューロリハビリテーションセンター
健康科学研究科(大学院)に入学
2017年 修士 取得
2019年 札幌市に戻る
こども発達研究センターに勤務
2020年 独立し、「脳とカラダの研究所」 を開業
脳卒中後遺症を専門に、あきらめない方のためにそれぞれの脳のクセにあったオーダーメイドの脳のリハビリを提供する自費リハビリをおこなっている。
少しでも伝わりやすいように動画でわかるYouTube チャンネルもはじめました。
是非ご覧ください。