ボディーイメージの視点
前回よりボディーイメージについてお話をさせていただいております。
ボディーイメージとは、自分のカラダをどのように認識して、感じ取っているか。どのように想像しているか。というものです。
北海道札幌市で脳梗塞・脳出血の脳卒中を専門に自費リハビリをさせていただいております「脳とカラダの研究所」の藤橋亮介です。
何かの行為や運動をするときには、必ず、自分のイメージというものを伴います。
そのイメージに伴って、私たちの身体は動きます。
つまりイメージが崩れていると、想像した運動も崩れます。
イメージすらできていない部分は、ずっと無視され続けます。
イメージトレーニングというと、プロのスポーツ選手が行うもののような気がしますが、
私たちは、日常的にイメージを使いながら生活しています。
本日は、そのボディーイメージを想像するときの視点についてお話しさせていただきます。
三人称イメージ
自分のカラダのイメージをするときには、主に2種類のイメージの仕方があります。
一つ目は、三人称イメージです。
これは、客観的に、自分の体や動きを想像している場面です。
例えば、
鏡に映る自分をみたり、
写真や動画に撮った自分を見たり、
相手側から自分がどう見えるかを想像するようなイメージです。
一人称イメージ
一方、相手や外側からの視点ではなく、自分の目線や、自分自身の視点から捉えるイメージを、一人称イメージといいます。
例えば、
カメラのレンズを覗いている景色のように、手が見えたり、足の先が見えたりします。
手を前に伸ばすと、自分の手が前に行く。
右に振り向くと、右の景色が見える。
といったような、自分からの視点になります。
使いどころ
三人称視点では主に、関節の位置や姿勢を確認するときに役立ちます。
膝が曲がりすぎてなかったか、どれくらい届かなかったかなど、基本的に何かを確認するときには、三人称イメージをしながら確認することがほとんどではないでしょうか?
しかし、三人称イメージでの確認は、視覚的に確認するため、運動の結果だけに注意が向いてしまいがちです。そのため、運動の質の部分に関して、力の入れ方や、どう動いたのかなど確認することが難しいです。
一方、一人称イメージでは、自分の立場からの視点なため、関節の動きや、運動に伴う筋の感覚が想像しやすい。また、視覚ではなく、体性感覚に注意が向きやすくなり、実際の動きとのイメージがしやすい利点があります。
そのため、三人称イメージばかりしている方は、その確認した部位が、しっかりと一人称でのイメージができるかを確認することが大切になります。
例えば、三人称のイメージで、自分は立ち上がるときに、足が前に出すぎていると思ったときには、
一人称イメージにしたときに、足が前に出ている時と、足が後にあるときでは、足の体重のかかりかたがどのように違うかなど、相互に確認することが大切です。
そのように、注意を向ける視点を変えることで、運動の方法が理解しやすくなったり、上手く感じ取れるようになることが多いですので、是非お試しくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました。