気づきを促すための「はやさ」と「つよさ」
運動の改善には気づきが大切であるということをお話しさせていただきました。
気づきの大切さについては前回のブログをご覧ください。
その気づきをさらによく促すためには、「はやさ」と「強さ」がポイントとなります。
どのようなことに気をつけたらいいか確認してみてください。
北海道札幌市で脳梗塞・脳出血の脳卒中を専門に自費リハビリをさせていただいております「脳とカラダの研究所」の藤橋亮介です。
本日は前回に引き続き、運動の改善に必要な気づきを促すポイントについてお話をさせていただきます。
最終目的は
運動の最終的な目標は、はやく楽にスムーズに動けることですよね。
ですが、この状態はとても高度に神経が発達した状態だと理解してください。
いままでの長い人生や生活の中で当たり前にやってきたからこそ、病気をする前の状態はあまりにも「簡単な動き」としてとらえてしまいがちです。
しかし、神経のつながりがうまくいかなくなった時に、新しい動きを学ぶことと同じような向き合い方で確認してみてください。
新しいスキル、例えば、車の運転や、ギターを弾く、ゴルフをする。など
なんとなく闇雲に繰り返しても、うまくなるとは考えにくいと思います。
あるルールを理解して、動き方を学んでいきます。
やっていくなかで、「間違い」や「良い感触」に気づくことで、学習されていきます。
その気づきを促すためにはポイントが2つありますので確認してみてください。
①はやさ
運動の学習が定着すると、スピードははやくなっていきます。しかし、スピードが速いということは、脳は自動運転をしている状態です。
つまり、あまり脳は使われていません。使いやすい部分だけ使って、使いにくい部分は見てみぬふりをされている状態です。
それでは、間違いや新しい変化があったとしても、脳は気づいてくれません。
ゆったりと、自分の体の動きの変化が感じられる程度の動きのはやさにしてみましょう。
いつもは、何か1つのことだけに気をつけていたのだとしたら、それ以外のことにも気をつけることができます。
例えば、座って膝の曲げ伸ばしの運動をした際には、テレビを見ながらとにかく膝を曲げ伸ばしするのではなく、
目を閉じて、心の目で膝の動きに注目します。
・膝は今どれくらい曲がっているのか
・足の位置は今どこにあるのか
・足の裏は、床から離れているのか
・足の裏は、床からどのように離れていくのか、また着いていくのか
・左右のお尻にかかる体重は均等か
・反対の足にかかる体重の変化はあるか
・体はどちらかに倒れていないか
など
膝の曲げ伸ばしだけでも、気づけるポイントはたくさんあります。
これらのことに、気をつけられるくらいのはやさで運動をすることをオススメします。
②つよさ
運動をする際に、努力が伴っていれば、そこに注意が向きすぎて、変化には気づきにくいものです。
運動の強さが強くなると、やった気になるので、満足感は得られやすいかもしれません。しかし、何か学習できたかというと、使った気がするということ以外、何か変化に気づくことは少ないのではないでしょうか?
運動する強さは、軽い気持ちで動かせる範囲で十分です。
つまり、小さい範囲で十分です。
先ほどの例で、座って膝の曲げ伸ばしの運動であれば、踵が床につく位置から、つま先がつく位置までの範囲でいいと思います。
床から足を持ち上げなくても大丈夫です。足の裏を床に滑らすようにして、動かしてみましょう。
動く範囲が小さくなるほど、変化は小さなものになります。
小さな変化に気づけるほど、運動は洗練されていきます。
見直してみましょう
以上のことに気をつけておこなってみると新しい発見があるかもしれません。
とにかく歩いている。運動をしている。ことは筋力や体力の向上を目的には適しています。
しかし、どれだけ文字を書いていても文字がうまくならないように、
意識して変化に気づきながらおこなわないと、動きは変わりづらいです。
繰り返しの動きは、もともと繋がっている神経のつながりは強化されますが、
神経の繋ぎ直しにはなりづらいというような理解でいいと思います。
動きに変化を期待するのであれば、単純な繰り返しではなく、ゆったりと、弱い力の範囲で動きを一つ一つ確認してくことが、近道だと考えられます。
目的に応じて、訓練の方法を変えていく必要がありますね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
いつもありがとうございます。
よく分かります。自分の今の状態にすごくあっていると思います。ある程度動けるようにはなりましたが、不安定で下手くそです。
足の裏を滑らし、変化を感じ取る。やってみたいと思います。
山田幸作様
いつもご覧いただきありがとうございます!
膝の真下に足首があるところ(すねの骨が地面に対して垂直)からスタートしてみてください。良い方の足と比べて、足がどの位置にあるのか?など左右の足の位置を比較するようにする、足の裏のつき方に違いがあるかなど見ないで確認しながら行うと足の動き方を感じられるようになりますよ!
何かわからないことがありましたらいつでもご連絡くださいね。