運動を改善するポイントは?
脳卒中の後遺症も、怪我による障害も、健康な人でも、
立ったり座ったり、寝たり起きたり、歩いたり、スポーツをするにも、運動を改善するためには何が必要だと思いますか?
何かをしないことには変化も起こりはしませんが、変化をするにはポイントがあります。
札幌市で脳梗塞・脳出血などの脳卒中や脳の障害によってお困りの方を専門に、自費リハビリをさせていただいております「脳とカラダの研究所」の藤橋亮介です。
本日は、運動を改善するためのポイントをお話しさせていただきます。
ポイントは「気づき」
私たちは、いつも同じような生活をしています。
普通に生活をして、普通に起こっている「当たり前なこと」は、脳はいちいち捉えてくれません。
脳はたくさんの情報を処理しますが、大切だと思えることを優先するために、当たり前のものは見ていることにしてしまう特性があります。
いつもテーブルの上にあるものは、目には写っていても実際には見ていないことがほとんどです。
テーブルの前に座っていて目には写っているはずなのに、
いざ出かけようとすると鍵がテーブルの上にない!ということや、
嫁さんが髪型を変えても、気づいてあげられないのはこのためです。(言い訳ではありませんよ!)
嫁さんにとっては、前髪の「たった2~3cm」がとても重要なのです。
しかし、家に帰っても誰もいなかったら、すぐに「誰もいない!」と気づきますよね。
つまり、私の脳にとって、嫁は、「見た目」よりも、「存在」が大切ということですね!(言い訳にしましょう!)
ポイントは、何か変化に「気づく」ことです。
「気づき」とは「注意」
何気なく、「気づく」ということを日常的に使っていますが、少し詳しくいえば、
「これまで注意していなかったことに注意が向いて変化を感じること」です。
つまり、何かに「注意を向ける」「注意を集中する」ことが必要といえます。
注意というのは、「集中する」というような意味ですが、
注意をすることは脳にとってとても負荷になります。
「〜をしながら、〜をする」といったことも、たくさん注意するところが増えると、脳にとってはとても大変なことです。
歩きスマホや、ながら運転、が危険視されるのもそのためです。
スマホに集中していると、周囲の変化に気づきにくくなります。
そのため、何かに気づくためには、注意をする必要があるので、一度にたくさんのことをすると変化に気づきにくくなります。
そのため、何か変化を感じにくいときは、注意するところを減らす必要があります。
気づくことの大切さ
これまで言ったように、普段当たり前なことにはあまり注意が向きません。
私たちは、日常的にエラーを繰り返しています。
余計なところに力が入っていたり、片方ばかり使っていたり、使いやすいところだけ使っていたり。
それが体のクセになり、脳のクセにもなります。
そして、そのようなことは当たり前のことなので、変わらないまま繰り返されます。
そして、何かに気づくことで、人の行動や運動は変化します。
例えば、痛みや、他人に指摘されることや、違和感を感じることなどです。
そのようなことは私たちに気づきを与えてくれています。
その気づきは、脳が「それじゃダメだよ」と教えてくれていることと考えることができます。
そこに気づくことができると、動き方を変えたり、やり方を変えるきっかけになってくれます。
気づきを得るためのポイント
変化を感じることが気づきになり、変化が大きいほど気づきやすくはなりますが、
その変化が小さいほど、運動の変化にはつながりやすいということがポイントです。
生まれた頃の子供は大きな運動ばかりですが、脳が育つにつれて、細かな運動ができるようになります。
脳の使う部分が細かくなるほど、細かな正確な動きができるようになるということです。
そのため、小さな変化にも気づけるように、変化を小さくしていくことが大切です。
そして、小さな変化に気づけるためには、ゆったりと弱い強さが大切です。
当たり前にやっていることにはなかなか気づけないですし、
何を大切に思っているかによって、注意は変化するので、変化の大きさや、運動の強さは、自分ではなかなか見つけにくいと思います。
だからこそ、誰かにしっかり見てもらうことも必要ですね。
このことについては、また次回お話しさせていただきますね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
筆者プロフィール
理学療法士 脳とカラダの研究所 代表
藤橋 亮介(ふじはし りょうすけ)
〜経歴〜
2011年 理学療法士 国家資格取得
札幌市の脳神経外科病院に勤務
2014年 大阪府 認知神経リハビリテーションセンターに勤務
2015年 奈良県 ニューロリハビリテーションセンター
健康科学研究科(大学院)に入学
2017年 修士 取得
2019年 札幌市に戻る
こども発達研究センターに勤務
2020年 独立し、「脳とカラダの研究所」 を開業
脳卒中後遺症を専門に、あきらめない方のためにそれぞれの脳のクセにあったオーダーメイドの脳のリハビリを提供する自費リハビリをおこなっている。
少しでも伝わりやすいように動画でわかるYouTube チャンネルもはじめました。
是非ご覧ください。