右片麻痺の運動のしづらさ
北海道札幌市で脳梗塞・脳出血の脳卒中を専門に自費リハビリをさせていただいております「脳とカラダの研究所」の藤橋亮介です。
本日は、右麻痺の運動障害についてお話しします。
右麻痺ということは、左脳の損傷により生じるものです。
左右の脳には大体同じ役割がありますが、
特に左脳には、言語を司る部位があることが知られていますので、言語野が損傷部位になると、失語といわれる言葉が出ない・言葉が理解できないというような症状が出ます。
失語の影響も、運動に影響が出ていることも考えられるのですが、、、
本日お話ししたいのは、右片麻痺で生じる「失行」という症状についてです。
「失行」は主に道具の操作に関連した運動の障害が出てきます。
症状が強い場合には、ハサミの使い方がわからなかったり、クシと剃刀を間違えて使ったりしてしまうことがあるため、顔を切ってしまったりということもあります。
これらのことを大きなくくりで高次脳機能障害といいますが、このように明らかにみてわかる症状がありますが、じつは明らかではないものの隠れてしまっているものもあります。
あまり気づかれない失行症
失行のような、明らかにみてわかる症状にたいして、隠れている失行の症状があります。
じつは右片麻痺の約半数(50%以上)はこの失行症といわれる症状があるともいわれています。
このような方は、一見ある程度普通な片麻痺症状はあるにしても、麻痺のせいで運動が難しいと捉えられがちですが、運動を下手にしている失行症というものが隠れていたりします。
失行症の特徴
失行というものは、基本的には麻痺側と反対の良い方の非麻痺側でも、道具の使い方がわからなくなる症状のことをいいます。
運動麻痺や感覚障害がないけれど、思った動きがうまくいかない場合は該当し得ます。
また、特徴として、
・マネ(模倣)ができない
・注意すべきところを見れていない
・なんとなく運動がぎこちない
などの症状がでます。
これらは、知っておかないとリハビリのスタッフでも見逃してしまうことがあります。
見分ける方法
お手軽に見分ける方法としては、マネ(模倣)をしてもらうことから始めます。
①手でマネをしてみる
このような手のマネが、麻痺のない方の手でも上手くできない場合には、失行症が隠れている可能性があります。
②動作でマネ
のような簡単な動きをマネしてもらい、
動きのぎこちなさや、動いている関節の間違いや、運動する方向の違いなどが見つかれば、失行症が隠れている可能性があります。
例えば、さよなら(バイバイ)は、手を横に振りますが、失行症の場合は前後に動かしたり、手首だけ動かしたりするようなうごきになります。
このような動きのマネを通して、専門的に少し難易度を難しくしていきながら検査していきます。
最後に
この症状が該当する場合は、通常の可動域訓練や筋力訓練や動作の反復では、なかなかよくなりにくいことが特徴です。
失行症の原因に対してリハビリを行っていくことで、運動の仕方がしっかりとわかるようにならないといけません。
失行症の原因や、リハビリの方法は通常のリハビリとは異なります。
原因や方法については、少し難しくなりますので、要望があればお話をさせていただこうと思います。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。