何を伝えたいか明確にすることは大切
Q:次の文章を読んで何について書かれたものかをあててみてください。
〈その手順は実際に単純である。まず、ものをいくつかの異なるグル ープに分ける。もちろん、ひとまとめでも十分だが、それはものの量による。もし設備がないため、どこかよそに行かなければならない場合には、それが次の段階となる。そうでない場合は、準備はかなりよく整ったことになる。重要なことはやりすぎないことである。一度にするのは多すぎるよりも少なすぎるほうがよい。目先だけではこれが重要に見えないかもしれないが、混乱は簡単に起こりやすいのだ。そのうえ失敗は高価なものにつきやすい。最初、その手順の全体は複雑に思えるだろう。しかし、すぐにそれは生活のほんの一面になるであろう。近い将来、この仕事の必要性が終わると予測するのは難しいが、誰も何ともいえない。その手順が完了したあとで、ものを再びいくつかの異なったグル ープに分けて整理する。次にそれらはそれぞれに適した場所にしまわれる。結局、それらはまた使用され、その全体のサイクルは繰り返される。とにかくも、それは生活の一部なのである 〉
何についての文かお分かりでしょうか?
あることについて、ものすごく丁寧に詳しく説明された文ですが、正直わかる人はほとんどいないと思います。
この問題の答えは、
「洗濯」
です。
心理学者のブランスフォードとジョンソンの実験の例(1973)というものを紹介させていただいております。
洗濯のことについて書かれていると思って、もう一度読んでみるとしっかり意味が理解できるはずです。
何をいいたいかというと、いくら丁寧にしっかり説明をしたとしても、なんの話をしているか明確にした上で話をしないと相手には伝わらないことも多いということ。
とくに、患者様は病気のことや身体の動きのことについては、ほとんど知らない場合が多いです。
セラピストはしっかり伝えているはずですが、なんのためのことかわからず進んでいることが多いのです。
例えば、右足で体を支えるときの話なんだけど、とか
左足をゆっくり前に出すときの話なんだけど、とか
お買い物に行くときの歩き方なんだけど、とか
訓練が複雑になっていくほど、その訓練の目的を患者様がわからないことが多いです。
簡単なことだけれど、患者様と今は何について学んでいただくかを、しっかり明確にして共有しておくということはとても重要ですね!