なぜ、元に戻ってしまう?
「リハビリで良くなっても、次の日にはまた元に戻ってしまう」ということがよくきかれます。
これについて少し書いていきます。
カエルやトカゲなどの爬虫類や両生類は「変温動物」
犬猫やヒトなどの哺乳類は「恒温動物」
「恒」という字は『常に変わらない』という意味。
体温だけに変わらず、人はある状態を常に一定に保つ能力が本能的に持っている。
ここで問題なのは、どこが『一定』なのかです。
つまり、脳がどの状態を一定に保ちたいかによると思われます。
いわゆる、「いい状態」の場合でも、いつかはその人にとっての普通の状態に戻ります。
「悪い状態」でもその人の普通の状態に戻ります。
病気になった人は、健康だったときが「普通」の状態なので、健康に戻ろうとします。
基本的にはそのおかげで、怪我が治ったり、自然治癒力による作用で回復します。
しかし、その悪い状態が長引くと病気なった後の状態が「普通」に変わってきてしまいます。
もっと純粋な、「生きていくため」に必要な「適応や代償」という作用が起こってしまいます。
そうなってしまうと、いくらリハビリで良くしても、またいつもの自分に戻ってしまいます。
本来、元に戻るはずのものが、楽して獲得しようとするために、間違ったまま普通になってしまうことが考えられるのです。
つまり、セラピストは、治療云々の前に、いろいろな技術を駆使して
患者さんの「普通」のレベルを上げる必要があります。
それができないと患者さんはいつまでたっても、同じ状態になり同じ治療の繰り返しになってしまうおそれがあります。
なかなかそれが難しいのですが、そのための努力を惜しまないことが大切ですね!