意識の重要性

人には意識があります。
しかし、人が起きている間でも使っている意識は、10%ほどと言われています。
実は、起きていても、ほとんどが、無意識(潜在意識)です。

トイレに行こうと思った時、歩けていることも
ご飯を食べる時、相手と会話しながら、もしくは美味しいと思いながら、箸を上手に使えることも
この無意識のおかげといわれています。

脳はたくさんのことをいっぺんに考えるのが苦手です。
そのため、大半は無意識に行えるようにしています。

逆にこれが、人間のダメなところを作ってしまいます。
例えば、気付いたら好きなものばかり食べていてしまったり、
太ってきたと思っているのに、運動を避けていたり、
今日やろうと思っていたのに、やらなかったり、
ほとんどが意識せずに通り過ぎて行ってしまいます。

脳は、考えたり意識することが負荷がかかっていることだと感じ
それを避けようとするから、代わりとなる楽な動きをします。

ここでいう楽な動きこそが、
「いい動き」ではなく、

「自分のクセばかり使った悪い動き」=「代償運動・代償行動」です

そして、さらに問題なのは、

この代償的な運動や行動は

意識されないということです。

周りに言われて初めて気付けるケースがほとんどです。
難しいのは、周りに言われても気づけないかたです。

この問題を解決しない限り、解決には至りません。

そこを気づかせるために、教師役となるセラピスト(コーチ)の存在が重要だと思われます。

自分一人で変われる人間なんてそういません。
どんなスポーツのトップの選手だって、優秀なコーチがいるはずです。
街一番の喧嘩自慢も、もともといじめられっ子だったプロボクサーにはかなわないことと一緒です。

意識は人を変えさせるために一番重要な要素です。

リハビリにおける意識の重要性を単純に考えてみましょう。

例えば、あなた。もしくは、あなたの家族・友人に字が下手な人がいるとします。

では、その人が、字が下手なのは、練習量が足りないからでしょうか?

字が下手なのは、人より文字を書く回数が少なかったのでしょうか?

きっと違うはずです。

字が下手なのは、特別な理由がない限り、
「字をきれいに書こうと意識すること」が少なかったからです。

同じように、病気になって歩くことが下手になったとします。
下手な歩きを、何百回、何千回、何万回、練習しようが、下手な動きを学習するだけであって、
上手な動きにはなりません。
むしろその下手な動きが、より洗練されていくだけです。

つまり、リハビリでは、どこをどのように直したらいいか。

どんなふうに間違っているのか。

意識することがまず大切です。

そこに気付けるためには、他者の目線や専門的な知識が必要です。

そして、そこを気づかせてくれることにも技術が必要です。

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