最新の脳科学が導く『自由エネルギー理論』とは?

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今回は、脳科学の最新の学習理論が、従来のリハビリとどう違うのか?についてお話しします!この要素を満たすことでさらに運動の向上が期待できるかもしれません。

はじめに

そもそも脳には「予測する力」があることを知っていましたか?

私たちの脳は常に周りの状況を予測し、その予測となるイメージと実際の体験によ感覚との差を小さくしようとしています。この誤差を小さくしていく考え方を「自由エネルギー原理」と呼び、近年新しい運動学習理論として注目を集めています。

自由エネルギー理論とは

私たちの脳がどのように働いているかを説明する理論です。この理論によると、脳は常に以下のことを行っています。

1. 予測を立てる:

   脳は、周りの環境や自分の体の状態について、常に予測を立てています。例えば、「この椅子に座れば、体を支えられる」といった予測です。

2. 現実と比較する:

   その予測と実際の体験を比較します。椅子に座ってみて、本当に体が支えられたかを確認するようなものです。

3. 予測誤差を減らす:

   予測と現実の差である誤差を小さくしようとします。例えば「浅く座りすぎたから次はもっとおしりを後ろにずらそう」これが学習や適応の過程です。

4. エネルギーを節約する:

   正確な予測イメージができれば、脳は余計な処理をする必要がなくなり、エネルギーを節約できます。

自由エネルギー原理は、この「予測誤差を小さくし、脳のエネルギー消費を抑える」というプロセスが、脳の基本的な働き方だと考えているようです。

脳卒中の回復にどう役立つか?

脳卒中の後、脳の一部が損傷を受けると、今までの予測が現実と合わなくなります。例えば、「手を伸ばせばコップをつかめる」という予測が、実際にはうまくいかないかもしれません。

自由エネルギー原理に基づくリハビリでは、この予測と現実のギャップを少しずつ埋めていくことに焦点を当てます。

具体的には・・・

1. 個別に合わせたリハビリ:

   あなたの脳の「予測してイメージする力」に合わせて、リハビリの内容を調整します。無理せず、でも少しずつ挑戦できるプログラムを組み立てます。

2. 感覚と動きを一緒に訓練:

   見る、聞く、触るなどの感覚と、体を動かすことを組み合わせた練習をします。これにより、脳の再学習がスムーズになる可能性があります。

3. 分かりやすいフィードバック:

   「こうなるはず」と思ったことと、実際の結果の違いを明確に示します。これが脳の学習を促進します。

4. やる気を引き出す:

   小さな進歩も見逃さず、ポジティブな体験を積み重ねていきます。これがリハビリを続ける力になります。

最後に

コップを取ろうとする動作一つとっても、脳卒中の後では難しく感じるはずです。この新しい理論では、あなたの脳が「手を伸ばせばコップに届く」という予測を徐々に正確にできるよう導くことができるはずです。

このように、自由エネルギー原理の考え方を取り入れることで、脳の自然な学習プロセスに沿ったリハビリが可能になります。これにより、より効果的で持続的な回復が期待できるはずです。

みなさんの今おこなっているリハビリにはこのような要素が含まれていますか?

リハビリは長い道のりですが、希望を持ち続けることが大切です。新しい科学の力を借りて、一歩一歩、目標に向かって進んでいきましょう!

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