薔薇の魂

《バラの魂》”The Soul of Rose” 

John William Waterhouse(1908)

朝早く友人から、以前勉強会で使っていた絵を教えてくださいと連絡が来てふと思い出しました。

みなさんはこの絵はご存じですか?

そしてこの絵から、なにを読み解きますか?

北海道札幌市で脳梗塞・脳出血の脳卒中を専門に自費リハビリをさせていただいております✨

「脳とカラダの研究所」の🧠藤橋亮介です。

この絵は、私が学ばせていただいている、認知神経リハビリテーションの2015年のテーマとなった「多感覚統合」に対するものです。

面白かったので、紹介いたします✨

ーAnd the soul of the rose went into my blood

直訳すると、「そして、バラの魂が私の血の中にはいってきた」

ヴィクトリア朝の桂冠詩人テニスン(1809 – 1892)の詩篇「モード」にインスパイアーされて描かれた作品のようです。

テニスンの詩は「モード」という女性を恋い慕う男性が夜通し庭の花々に話しかけている情景をうたったちょっと狂気の香りがする場面です。

この詩は一人の青年が富豪の娘「モード」に恋するものの、失恋して戦争に赴くというお話です。

一方、ウォーターハウスのこの絵は女性がバラに顔を近づけています。

バラの香りを嗅いでいるようにもバラにキスしているようにも見えます。

おそらくバラの精をとりこんで目の前にはいない恋焦がれる相手の男性の存在を感じているのではないでしょうか。

見えない相手に触れているかのような左手のポーズが絶妙です。

つまり、恋焦がれた男性をこの薔薇に見立てたという背景や文脈がわからなければ、ただ、女性が綺麗な薔薇の匂いを嗅いでいるというだけの絵になってしまいます。

このバラの匂いを嗅ぐということが「行為」なわけですが、ただの「動作」ではなくて、そこには物語の前後の文脈や、薔薇の香りと恋焦がれる香り、恋をするなどの情景の意味様々な多感覚な情報が内在されているということを表現しているのではないでしょうか?

匂いを嗅いでいる薔薇の位置はなぜあの位置だったのか?

だんだんとあたかもそこに男性がいるように見えてきますよね。

人の感覚は多様で複雑で様々な要素を含んでいます。

単純な感覚麻痺も、何かの思い出を探すことで取り戻せることも多いです。

愛猫を撫でた手、子供を抱きしめた手

新婚旅行で行ったヨーロッパの石畳を歩く足、

感覚だけでなく、いろいろな想いを感じさせてくれているものです。

ただ、触ってもわからない、鈍い ではなくて、思い出を探してみてはいかがでしょうか?

筆者プロフィール

代表:藤橋亮介

理学療法士 脳とカラダの研究所 代表

藤橋 亮介(ふじはし りょうすけ)

〜経歴〜
2011年 理学療法士 国家資格取得 
札幌市の脳神経外科病院に勤務

2014年 大阪府 認知神経リハビリテーションセンターに勤務

2015年 奈良県 ニューロリハビリテーションセンター
健康科学研究科(大学院)に入学
2017年 修士 取得

2019年 札幌市に戻る
こども発達研究センターに勤務

2020年 独立し、「脳とカラダの研究所」 を開業

脳卒中後遺症を専門に、あきらめない方のためにそれぞれの脳のクセにあったオーダーメイドの脳のリハビリを提供する自費リハビリをおこなっている。

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