足底の感覚
脳卒中になると運動麻痺だけでなく感覚麻痺となり、体の感覚が鈍くなってしまうことがあります。
体の感覚には大きく分けて2種類の感があります。
触った触感の接触感覚と、体の位置などの空間感覚です。
座っていたいたり、立っていたりすると、この触っている感触は常に変化します。
特に座っている時と違って、立った時に触れている感触は足の裏のみとなります。
そのため、足の裏の感触はとても大切ですね。
本日はこの「足の裏の触覚」についてお話ししていきます。
北海道札幌市で脳梗塞・脳出血の脳卒中を専門に自費リハビリをさせていただいております「脳とカラダの研究所」の藤橋亮介です。
最近は、自分の体の使い方にもしっかり学んでいこうと思い、ヨガやボディーワークを通して学ばせていただいております。
その中で、当然わかっていたようだけれど、改めて気づけた「足底の感覚」について考えてみました。
「足の裏の感覚が鈍い」「体重がかかっているかどうか分かりづらい」という方もぜひ一読ください。
足底感覚
足の裏を「足底」といいます。
足底には、
・足底のどこが触れているか
・足底のどの面が触れているか
・足底の触れている広さ
・足底にかかる圧の強さ
・床の摩擦(ツルツル・サラサラ・ざらざら)
・床の凹凸
・温度
・痛み
など、を感じることができます。
これらを感じることができることによって、足が地面としっかりついていることを感じることができ、安心して足に自分の体重をあずけることができるようになります。
足底感覚を感じられない?
足底には、圧やそれぞれの感覚を感じるためのたくさんの感覚の神経があります。
しかし、脳卒中の場合は、この足底の神経には問題がないことを改めて自覚してみてくださいね。
足底の感覚が鈍かったり、感じなかったりするのは、足底にある神経が鈍くなっているわけでなく、
足底からきた感覚の神経の情報が脳でうまく受け取れなくなっているからです。
足底の感覚が感じづらくなると、足の着き方が乱暴になったりします。
足底を床に打ち付けるように足をついたり、ぶん回したりするような代償運動をすること、体重を過度にかけすぎることが多くみられます。
つまり、足底の感覚が鈍いと、その感覚を違う感覚で補おうとするために、足をドシンとつけた音で判断をしていたり、大きく足を振り出すことで足が前に出ているということを判断したり、頭や体幹を過度に寄せたり体重がしっかりのっていると判断してしまいます。
足底を感じる動き
足底の感覚はどのようにして感じるのか確認してみましょう。
まずはしっかり座ってみましょう
そして
「足底がしっかりついていますか?」
そう聞かれた時に、どのように確認しましたか?
足をトントンとつけてみましたか?
足の指をグニグニと動かしてみましたか?
体幹を前後や左右に揺らしたりしてみましたか?
つまり、このような動きが足の裏を感じるポイントになります。
足底の感覚自体は、足底の感覚神経が感じ取ってくれていますが、
足底の感覚の調整は、股関節・膝関節・足首(足関節)・足趾(足の指)・体幹など様々な動きによって変化します。
自分が今どのようにして足底を感じたのか、それ以外の方法で足底の感覚を確かめたのか、確認することが大切になります。
どう確かめたか、どう確かめるのが苦手かというのが、人それぞれ違い、それがあなたの「脳のクセ」です。
次回からは、それぞれの足底の感覚に必要な関節の動きとともに、どのようなことに気をつけたらいいかお話をさせていただきます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
どのように確かめたか是非コメントをくださいね。
筆者プロフィール
理学療法士 脳とカラダの研究所 代表
藤橋 亮介(ふじはし りょうすけ)
〜経歴〜
2011年 理学療法士 国家資格取得
札幌市の脳神経外科病院に勤務
2014年 大阪府 認知神経リハビリテーションセンターに勤務
2015年 奈良県 ニューロリハビリテーションセンター
健康科学研究科(大学院)に入学
2017年 修士 取得
2019年 札幌市に戻る
こども発達研究センターに勤務
2020年 独立し、「脳とカラダの研究所」 を開業
札幌市で、脳卒中後遺症を専門に、あきらめない方のためにそれぞれの脳のクセにあったオーダーメイドの脳のリハビリを提供する自費リハビリをおこなっている。