感じるための動きを体験してみてください
脳は直接的に指定した筋肉に「動け!」と命令してはいません。
もちろん、身体のある部位を動かそうとする意図(意思)に基づいて、ある運動はおこっているはずです。
しかし、脳はどんなことを元にして、体を動かしているのかをもっと理解して頂きたいと思います。
北海道札幌市で脳梗塞・脳出血の脳卒中を専門に自費リハビリをさせていただいております「脳とカラダの研究所」の藤橋亮介です。
まだまだ、体を「無理矢理」「努力的」「なんとか力を入れよう」として動かそうとする方が多いと思います。
確かに、動かそうとして、動いた経験があれば、その嬉しい感情はなかなか忘れられないと思います。
ですが、そんなに力は必要ないとしたらどうでしょう?
動くことの根本を知ると動き方も変わってくるかもしれませんよ。
触れているところを探す
このブログをお読みいただいているあなたは、今どんな姿勢ですか?
座っていますか?寝転がっていますか?もしくは、歩きスマホをしていますか?
いずれの場合でも構いません。
いまあなたの身体が自分の体と接触している部分について考えてみてください。
座っているのであれば、足底(足の裏)と地面。お尻と座面。背中と背もたれ。肘や手とテーブル。
寝ているのであれば、ベットやソファーに当たっている身体の部位。背中や、腰や、お尻や、足、肩や腕。
立っているのであれば、足底と地面。
触れているものが「どんなもの」か。
触れている場所を一箇所選んでください。
その触れているものについて考えてみましょう。
・それはどんな素材で作られたものだろうか?
木製?
布製?
金属製?
石性?(コンクリートや大理石のような)
見てわかった?
素材は何かわかったでしょうか?
「見たから」わかった!という方は、ほとんど感じるという作業はしていません。
人間の受け取る情報のほとんどは見ることで補われます。
見れば、過去の経験した記憶を遡って、どんな素材から作られているかを即座に知ることができます。
それは大切なことですが、一度、身体の感覚に注意を向けて(集中して)感じ取ってみてください。
見なくても、どうしてわかったのか?
すでに、見てしまっていても構いません。
もう一度、どんな素材でできているか、触れながら、考えてみましょう。
そのときにどんなことを考えていますか?
・柔らかいか硬いか
・ざらざらしているかツルツルしているか
・凸凹しているか
・形に変化があるか
などなど、
そのようなことを探せましたか?
では、、、
それがもし、違う素材だとしたら、触った感じはどう変わるでしょうか?
想像してみてください。
動きの違いを感じる
感触の違いも想像できたでしょうか?
その感触が感じられて、想像できたということは、体が上手く動いているということです。
例えば、足底で素材を感じようとしたとき、2種類の素材があったとします。
フローリング(木製)と、カーペット(布製)
この2種類の感じ方はどうしたらいいでしょうか?
①硬いか柔らかいか
この違いを感じるための動きは、「踏む」ですね。
足の動きとしては、上下の動きとなります。
②ツルツルかざらざらか
この違いを感じるためには、「滑らす」ですね。
足の動きとしては、前後や左右の動きとなります。
それぞれ、何を知ろうとするか?によって足の動き方や、動かすための身体部位(関節)が違うことに気が付いたでしょうか?
まとめ
このように、どんなことを知ろうとするかによって、体の動く部位や、感じる部位が変わってきます。
それらが統合され、洗練されているからこそ、安心して、楽に動くことができます。
見るということは、それを早く楽に予測することができ、うまくいったか、いかなかったかを判断することにとても優れています。
しかし、それ以前に、体は無意識に体の感覚を通じて、様々なものを判断しています。
その基礎となるものを作っていくことが大切だと思います。
動かそうと努力するだけでなく、そのような方法もあるのだと知っていいただければ幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
筆者プロフィール
理学療法士 脳とカラダの研究所 代表
藤橋 亮介(ふじはし りょうすけ)
〜経歴〜
2011年 理学療法士 国家資格取得
札幌市の脳神経外科病院に勤務
2014年 大阪府 認知神経リハビリテーションセンターに勤務
2015年 奈良県 ニューロリハビリテーションセンター
健康科学研究科(大学院)に入学
2017年 修士 取得
2019年 札幌市に戻る
こども発達研究センターに勤務
2020年 独立し、「脳とカラダの研究所」 を開業
脳卒中後遺症を専門に、あきらめない方のためにそれぞれの脳のクセにあったオーダーメイドの脳のリハビリを提供する自費リハビリをおこなっている。
少しでも伝わりやすいように動画でわかるYouTube チャンネルもはじめました。
是非ご覧ください。