感覚器としての筋肉

北海道札幌市で脳梗塞・脳出血の脳卒中を専門に自費リハビリをさせていただいております「脳とカラダの研究所」の藤橋亮介です。

本日も、前回に続き、筋肉についての話をさせていただきます。

前回までの、筋肉の仕組みや、筋力とはなにかは、前回のブログをご参照ください。

筋肉のもう一つの役割

今回は、もう一方の筋肉の役割について、お話をしていきます。

筋肉は、関節だけでなく体全体を動かして、運動を行うために必要な組織です。

そのため、筋肉や骨などを含めて、運動するための組織を「運動器」とよんでいます。

その名前もあるせいか、筋肉は運動するためのものとして、捉えられがちですが、実は逆の側面も持ち合わせています

それは、筋の感覚的側面です。

筋肉には、細かい筋繊維が束になってできているのですが、この繊維の中には、筋肉の伸び縮みをする「錐外筋」というものと、「筋紡錘」(錐内筋)というものがあります。

この筋紡錘には、筋の伸び具合や、伸びる速さを検知して、脳にその感覚を伝える感覚の神経がついています

人の体には、関節を動かす筋肉は、約400個ほどの筋肉が存在します。

それと比較して筋紡錘は、例えば、人の腕の力こぶができる、上腕二頭筋のなかには約320個あるそうで、およそ1gに2個ある計算ですが、手のひらや足のうらの筋肉では、1gにつき20個もあるようです。

そのため、細かい作業が必要な筋肉には、筋紡錘の密度が高くなっていて、これによって微妙な動きの制御が可能となっている。というわけです。

人の筋肉の数にも、そんなにあるの?と思ってしまいますが、その一つの筋肉につきその筋肉の動きを感じる神経は約400倍もあるんですね。

つまり、筋肉は、もちろん体の動きに関係する重要な器官ですが、

同時に、関節の動きや、自分の体の位置、動くスピードなどをしっかりと感じるためにも重要な役割としてあるわけです。

そのため、筋肉を効率よく使っていくためには、筋疲労を起こして筋肉の量を増やすだけではなく、

自分の体の使い方や、どんな姿勢になっているか?どんな動き方をしているのか?を、体を通じて感じることが重要になります。

感じるということは、もちろん目で見て確かめることも必要ですが、基本的には筋肉の感覚は目で見えない情報なので、目を閉じて体の感覚に集中することや、足元を見ないで確かめてみることなどが大切になります。

まとめ

今回は、あくまでも、筋肉の感覚としての役割をお話しさせていただきました。

筋肉の中には、伸び縮みをする線維だけではなく、筋紡錘という感覚をつかさどるものがあって、筋肉が伸び縮みすることで、その伸び具合や、関節の動きを感じることで、自分の姿勢や体の位置を脳に教えてくれている役割があります。

(正確には、筋紡錘は筋の一定に保ち、その一定に保つ仕組みの中で、そのような役割があるのですが)

そのような感覚をうまく運動の中にいかしていくことで、体の使い方が変わる可能性があります。

次回予告

次回は筋肉編の最後の章として、感覚的な側面を考慮して筋出力(いわゆる神経の発火による筋力)を効果的に向上させる方法について、お話しさせていただきます。

筋力をうまく発揮できるためのヒントや、うまく動いていくための具体的な方法を紹介させていただきますので、ぜひご覧ください。

本日も、最後まで読んでくださいまして、どうもありがとうございました。

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