筋力と運動との関係

北海道札幌市で脳梗塞・脳出血の脳卒中を専門に自費リハビリをさせていただいております「脳とカラダの研究所」の藤橋亮介です。

本日は、筋肉についてお話をしていこうかと思います。

片麻痺になると、動きにくさが生じてくるので、どこかに力を入れて動こうとしてしまいますよね。

体を動かすには筋肉は必要です。

まずは筋力ってなにかを一緒に考えてみませんか?

とは?

筋肉というのは、筋繊維という細胞が集まってできており、それが束になっています。

その束が、たくさん集まって、みなさんのイメージする筋肉を作っています。

筋肉だけの働きとしては、ゴムのような性質を持っていて、ひき伸ばされると縮む性質を持っていますので、ある程度の長さに戻ろうとします。

筋肉には神経から命令をうけることで、動くことができますが、このとき筋肉ができるのは、縮む動きだけで、自分から伸びる力は持っていません。

そして、筋肉は体の関節をまたぐようにしてついていて、関節を動かす働きがあります。

ある筋肉が縮むことで、関節は縮んだ筋肉の方に曲がることになります。

例えば、肘を曲げる際には上腕二頭筋といわれる筋肉が主に縮むことで行われます。

今度は、肘を伸ばす際には、上腕二頭筋が縮むことをやめて、その裏側にある、上腕三頭筋という筋肉が主に縮むことになります。

そのようにして、関節を動かすことで人の体を動かしてくれています。

とは?

筋肉が縮む力のことを「筋力」といいます。

どれくらい関節を動かすための力があるかということが問われます。

わかりやすい指標としては、

①全く動かす力がない

②重力に対抗して動ける

③それ以上に動かせる

くらいで捉えてもらったらいいと思います。

筋力という言葉には主に2つの要素が含まれています。

①筋肉の太さ

筋繊維の集まった束が筋肉ですが、この束の太さ(断面積)が広いほど、縮む力が太くなります。

逆に、筋肉が細いと、縮む力は弱くなります。

②筋肉に命令する神経の数

これを運動単位といいます。

神経というものは1つの神経で、筋繊維の束をいくつか縮ませることができます。

手のような細かい動きをするところには、1つの神経に対して少ない数の筋肉を動かすことで、細かい動きを表現できます。

足のような大まかな動きをするところには、1つの神経に対して、多くの筋肉が働くことで、力強い動きがしやすくなっています。

そのような神経をどれだけ働かすかによって、筋肉の縮みの強さを調節しています。

脳卒中の筋力低下は?

では、脳卒中になって筋力が低下する場合は、どのようなことが考えられるでしょうか?

脳卒中の場合は、ほとんどが②の運動単位の問題がおこってきます。

筋肉を働かせるための神経の数をはたらかせることができなかったり、必要な分だけ調整できないことで、うまく関節や体を動かすことができなくなります。

そして、長い間、筋肉を働かすことができなることで、①の筋肉が細くなって、縮む力も弱くなります。

うまく、その神経を働かせることができれば、筋肉も細くならずに済みます。

ボディービルダーや、アスリートのような筋肉がたくましくても、この運動単位がうまく調整できないと大まかな運動はできても、しっかりとコントロールしていくということは難しくなります。

神経を働かせるためにも、筋肉を細くしないためにも、運動は必要です。

筋肉を太くするだけであれば、運動の回数や、負荷量をあげることで可能となります。

しかし、うまくコントロールするには、神経の数を調整しなければいけないので、違った訓練が必要になります。

うまく調整する方法については、筋肉のもう一つの側面に注目しなければいけません。

筋肉は体を動かすだけだと思っていると、なかなかよくなりません。

筋肉にはもう一つの大切な役割りがあります。

それは、筋肉の中には筋肉と神経が一体となっている筋繊維があり、その繊維の役割を知ることで方法を知ることができるかもしれません。

詳しくは、また次回お話しさせていただきますね。

最後までご覧いただきたりがとうございました。

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