痛みの原因を探してみる

北海道札幌市で脳梗塞・脳出血の脳卒中を専門に自費リハビリをさせていただいております「脳とカラダの研究所」藤橋亮介です!

最近は「痛み」についての話をさせていただいております。

しかし、それを知ったからといって、すぐ良くなるのであれば非常に優秀ですが、そう簡単ではないですよね。

前回は、体や動きの予測やイメージと、実際の体やイメージが違うことで違和感が生じ、それをきっかけに、疼痛というものが生じている可能性があることをお話しさせていただいたので、まだご覧になっていただけていない方はぜひご覧くださいね。

本日は実際に痛みを解決していく上で重要なポイントをいくつかお話しさせていただきますね。

よろしければ最後までご覧ください。

脳卒中の疼痛の始まりは?

まず、脳梗塞や脳出血になると、なんらかの運動機能や感覚機能に障害をきたす方が多いです。

そのために、
①脳から思った通りに筋肉に命令がいかず、うまく動かないこと
②触った感触や、動いた感触が鈍くなっていて、自分の動きがわかりにくくなっていること
③感覚の異常が、シビレる感じとなり、痛みにつながっている。

というものが痛みの症状として感じられると思います。

しかし、発症してからすぐの脳は、いままで健康な状態での記憶で、今まで通りに動こうとします。

ですが、脳梗塞や脳出血などによって脳が損傷を受けたことによって、今まで通りには動いてはくれません。

それが1つ目の間違いとなります。

そして、2つ目は、その間違った状態でも、運動や日常生活をしなければいけないので、無理矢理にでも体を使って動作を行うことで、筋肉や関節の負担となってしまいます。

これらの間違いから、痛みというものが生じている可能性があります。

痛みの「もと」は?

そのような過程をへて、筋肉が硬くなって血流が悪くなったり、関節がすり減ったり、という直接損傷が起こることで疼痛が生じてくることもあります。

さらに、思っていた動きと違うというような、イメージとの違いも生じてくることも、痛みの原因になることもあります。

ですが、痛みはあらわれた「症状」なので、実際に痛みが出ている場所と、その原因は違うこともとても多いです。

例えば、肩が痛くなるのは、肩の使い方が間違った使い方や負担のかかる使い方をしたから。

ではありますが、

そもそも、肩がそう動かなければいけなかった理由というものが、他に存在することが多いのです。

①肩甲骨の動きが制限されていて、肩だけがたくさん負荷がかかっていた

②背骨や腰などの体幹の動きが硬くて、うまく使えていないので、肩に負担がかかった。

③股関節の動きが悪くて、肩に負担がかかった。

④足首や足の裏をうまく使えていなくて、肩に負担がかかった。

など、肩を使う動きというものは、肩だけの動きでは成立せず、たくさんの体の部分が関係していきます。

その体の部分がうまく使えていなかったということも十分にあります。

そのため、痛い部分だけに注目してしまうと、なかなか解決しないことも多いです。

苦手な動きを確認しよう

痛みの原因を探していく上で、どこが、どのくらい、どんなふうに痛いかなどを確かめることは、痛みを調べていく上で重要ですが、

それと同じくらい、どんなことができないか?ということがとても重要となります。

それは、痛み原因の動作を知るだけでなく、痛みが情動(感情)と関連のあることにも意味があります。

そして、その動作ができないことによって、どんなことが困るのかというところまで知っておくことが治療に非常に有効となります。

単純に痛みがなくなることは嬉しいことですが、誰かにもんでもらったり、動かしてもらうことで、やってもらって良くなるという経験だけになってしまうのではなく、

自分の体の使い方を変えることで、できなかった動作ができるようになったり

気をつける体の部位を意識的に変えることで、すこしやりやすくなったり

という、あくまでも、自分の体は自分が調整して、なんらかの変化を感じるような実感を持っていただくことがとても重要だと考えております。

もちろん、一人だけでは難しいことなので、そうできるようにリハビリを通じて手伝いをさせていただくのですが、自分が変えたという経験がとても重要なことを理解してもらえると治りがスムーズにいくことが多いと経験しています。

例えば、足が痛い場合は、

足が痛い。だけではなく、

立ちあがろうとするときに、足を踏ん張ろうとすると、痺れが強くなって痛い。

足を踏ん張ろうとするとき、踵は大丈夫だけど、つま先に体重がかかると痛い。

つま先に体重がかかていたと思っていたけど、あまり体重がかかっているのかもわからない

つま先は、地面についているのはわかるけど、床の感触や、硬さなどが感じられない。

じゃあ、そもそも、足で踏ん張って体を支えようとしていたけど、

じつはただ足がついているだけで、足の裏で体を支えているという感覚は、あまりわかっていなかった!

など、あくまでも例ですが、ただ痛いという脳の解釈が、もっと違った意味になっていく可能性もあります。

脳の解釈や捉え方だけで、必要な情報をうまく受け取れていなかったことを脳は教えてくれているかもしれません。

痛みは、日常生活の質を落としかねないものですが、

その治療というものは、今よりももっと良くなるためのヒントとして体が教えてくれているかもしれないので、見逃したり、単純に無視したりしないで、向き合ってみることも大切だと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。