ケガしていないのに痛いのはどうして?
北海道札幌市で脳梗塞・脳出血などの脳卒中専門に自費リハビリをおこなっております、「脳とカラダの研究所」の藤橋亮介です。
以前、ブログを読んでいただいた方から、コメントをいただきました「疼痛」についてお話をさせいていただこうと思います。
「痛い」という感覚は、転んでケガをした時や、ぎっくり腰などの腰痛や、脳卒中になって異常感覚としての痛みなど様々です。
脳卒中の場合は、実際の手足に損傷がないのに、痛みで悩まれる方が非常に多いのです。
そのため疼痛は単純なようで、かなり奥深い分野で、ほおっておけば簡単に治るものもあれば、どんなに頑張ってもなかなか良くならないことも経験されます。
痛みについて調べるとかなり難しい言葉が並んでしまうので、なるべくわかりやすくイメージできるように、何度かに分けて、お話しさせていただこうと思っております。
脳とカラダの研究所でも、一部、腰痛や肩痛などの施術も実際にはおこなわせていただいておりますので、その一部も紹介できればと思っております。
本日の目次
①疼痛とはなにか?
②痛みは気の持ちよう?
について、ざっくりと「痛み」についてのイメージや捉え方を変えてみましょう!
①疼痛とはなにか?
痛みについて調べると、まずはじめに出てくるのが、痛みの定義についてのこの決まり文句です。
『国際疼痛学会では、疼痛を“実際に何らかの組織損傷が起こったとき、あるいは組織損傷が起こりそうなとき、あるいはそのような損傷の際に表現されるような、不快な感覚体験および情動体験”と定義しています。』
どういうことかというと、
痛いということは、実際にケガをしたときだけでなく、なにか身体にダメージが起こりそうなときにも起こる、嫌な感覚や嫌な気持ちということです。
従来、痛みというのは、必ず組織に損傷があるものとしてとらえられてきましたが、最近では「不快な情動体験」としてとらえられることが多いです。
まだ頭の硬いお医者様には、理解できないことも多い事実はありますが、最近は多くの方に理解が広まっている印象を受けます。
ですが、実際に治療自体は大きく変わっていない印象です。
痛いから、痛み止めを服用。
それでも治らなければ、強い痛み止めを服用。
最後には、ブロック注射。
リハビリでは、
痛いところをマッサージ。
筋トレで筋力をつけて、ストレッチで体を柔らかくしましょう。
定義が新しくなったとしても、臭い物に蓋をするという構図は変わらず、繰り返されているのではにでしょうか?
だからこそ、根本から疼痛のそもそものイメージを得ていく作業が必要になると考えています。
②痛みは気の持ちよう?
まず、痛みと情動との関連性として考えてみましょう。
例えば、
屈強な軍人と、大切に育てられたお姫様では、同じ深さの切り傷でも、感じる痛みは違うと思いませんか?
注射をされたときの痛みは、あなたと、いつも注射をしている看護師さんでは、どちらが痛いと感じるでしょう?
筋肉痛は運動不足の人がなると痛くて嫌だけど、スポーツマンやボディービルダーがなる筋肉痛は、痛いはずだけど、なんだか喜びに感じているような気がしませんか?
人工関節で股関節の手術した方も、現役で仕事をされている方よりも、認知症の老人の方が、痛みの訴えなく、スタスタ歩けていることはよく目にします。
このように身体の損傷は同じと仮定しても、痛みの捉え方で、大きく変わってしまうのが痛みの特徴です。
そのため、その痛みが、今後も長く自分を苦しめる。今後ずっと、この痛さに悩まされていく…などととらえてしまっている方にとっては、疼痛は増強する傾向にあります。
人だけでなく生物は生まれながらに、いい方向へ向かってく自然回復の力があるはずなのですが、それを阻害してしまう要素があるのだと考えられます。
だからといって、痛みは気持ち次第なんだから、気のせいだ!! とは決してなりません。
どうして脳は、その刺激や感覚や経験を、「痛い」と判断してしまっているのか?
そこに治療のヒントが隠されている可能性が高いです。
少しずつ理解を増やしていきたいので、本日のところはここまでで、次回以降に続かせてもらいます。
次回は、生き物にとってどうして痛みという感覚が生まれたのかについて考えながら、痛みについて考えていきます。
興味がありましたら、また明日も読んでいただけるとありがたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それにしても、サッカー選手のファールされたときの痛がり方って大袈裟すぎませんか?
と思ったら、本当にタンカーで運ばれてたり…
フェアな試合って難しそうですね。