注意の種類
注意機能には、たくさんの種類があります。前回は受動的注意と能動的注意の違いについて説明し、基本的には能動的注意を使って、必要な情報に集中しましょうというような内容でした。(前回の内容はコチラをクリック)
今回はよく使う注意の使い方の種類についてお話しさせていただきます。
まず、注意には5種類の使い方があります。
それぞれについて説明させていただきますね。
①「覚醒」
どれくらいはっきり目覚めているか具合。
覚醒が低いと、そもそも集中できない状態となるため、注意の機能全体が低下します。
②「持続」
一定時間、集中し続けることができるか。
目的地に到達する間、何歩で行けたか? 座っている間いい姿勢を保てるか? また、足が後ろから前に一歩でる間でさえも集中が途切れてしまう方もいます。
③「選択」
適切なものに注意を向けられるか。
「〇〇をとって」と言っても、自分の好きなものをとってしまう。話しかけているのに、相手の方を見れていない。指をさした場所に目線がいかない。体を動かしているのに、話に夢中になってしまている。体を動かした場所と違う場所のことが気になる。
④「転換」
適切な方へ注意を切り替えられるか。
右と左と振りむけたりするか。話しをしている側から、聴く側になれるか? つまさきのことを気をつけていたけど、踵がどうかも気にできるか? 一定のところだけにしか集中できないと方も多くいらっしゃいます。
⑤「分配」
ある程度注意を保ちつつ、他のことへの注意もできるか。
電話をとりながら、メモを取れるか? 足の裏をしっかりつける時に、膝もしっかり伸びているかわかるか? 右手で箸を持っている時に、左手は器をしっかり持てているか? 自分のことだけではなく、周囲のことも気にすることができているか?
以上が注意の使い方の5種類です。
病院の先生やセラピストに、「注意の能力が悪い」といわれたとしても、自分で認識しているにしろ、注意機能のこれら全てが悪いわけではないことが非常に多いです。
これらの要素をうまく使い分けて、どの注意機能がうまく使いづらくて、どこが有効的に使えそうなのかを見極めることは、新しいことを発見していくにはとても重要なことになります。