治ることは、昔に戻ること?

病気や大きな怪我をすると、なんでもなかった健康なあの頃に戻りたいと誰しもが思ってしまうと思います。

でもそれって、昔に戻っているのではなく、すでに新しい未来に向かって進んでいるということに気づいていただきたいのです。
つまり、「健康で元気だった昔の姿」という、『新しい未来の目標』に向かって進んでいると思うのです。

時間の流れについて少しお話をさせてください。

時間の流れは、一般的には「過去→未来」に進んでいると思われがちです。
それは、過去(今)おこなった行動が、未来に影響を与えているということです。

例えば、
・昨日、食べすぎてしまったから、今日は2Kg太ってしまっている。
・学生時代に勉強をサボっていたから、いい大学に入れなくて、いい仕事ができない。
・働きすぎて、休む暇もなかったから、病気になってしまった。
などなど。

現実的には、そう捉えてしまっても無理はありません。

けれど、本当は違うのではないかと思うのです。

・食べすぎたとしても、次は食べすぎなければ、いつもの体重に戻ります。
・勉強をサボって、いい大学に入れなくても、自分に合ったいい仕事はできます。
・病気になったけど、新しい仕事についたり、もっと楽しい生活を満喫できている。

つまり過去は、今の状態の理由付けにしかならなくて、今の状態がいい状態だと過去の理由もいいことに変わるのです。

もう少しわかりやすくイメージしてもらうために、童話の「ももたろう」で考えてみてください。

「おばあさんが、川で洗濯をしていると、おおきな桃が流れてきた」
となっています。

では、
川で洗濯したから、大きな桃が流れてきたのでしょうか??

違いますよね?

川で何をしていようと、川上から桃は流れてきていたはずです。
つまり、「洗濯」は、桃をひろえたひとつの理由にしかすぎないのではないでしょうか?

そう考えると、過去に理由を探す必要ではないのではないでしょうか?

つまり、時間の流れは、常に「未来→過去」と通り過ぎていっているわけです。
そのため、通り過ぎてしまったものを悔やむより、いい未来をキャッチできるように構えておくことが重要だと思うのです。

もちろん、過去と比較して原因を探すことは大切ですが、それはすでにいい未来をキャッチするための作業と捉えることができます。

だからこそリハビリも、元に戻ることを重視するよりも、新しい未来に向けた取り組みを促せることが大切だと考えています。
ただ過ぎてしまうのを見送るのではなく、あなたに大切な未来をキャッチできるようにするのが私の役割です!