適度な刺激量とは
前回に引き続き、機能解離を長期化させない、もしくはなるべく早い段階で解除してあげる方法についてお話しさせていただきます。
前回もお話ししたように、機能解離の状態は、脳を守る反応です。
ですので、無理矢理、防火扉を開けるような強い刺激(脳の機能停止状態と機能解離の長期化を参照してください)だと、扉は開いてくれません。
脳にとっての刺激量とは、「情報の多さ」として捉えてもらえればいいと思います。
情報とは、動かす筋肉や関節の数や、必要な力の量、安定しているか不安定な場所か、うるさいかうるさくないか、複雑か単純かなど、体を通じて感じる様々な感覚のことと捉えていいと思います。
目からは、どんなものが見えるか、いくつの物が見えているか、見えるものは立体か平面か、など視覚情報。
皮膚からは、暑い冷たい、つっぱっているかゆるんでいるか、ざらざらするかツルツルするか、などの触覚情報。
耳からは、音の大きさ、どこから聞こえるか、音の高さ、言葉の意味、などの聴覚情報。
などなど、、、たくさんの感覚を感じることができます。
感覚は、常にさまざまなものが身体中から脳に送られますが、必要か不必要かを脳が処理しています。
そして、その感覚の数や強さや種類が、脳の刺激量と考えることができます。
その情報量を、その人の脳の状態にあったものを適切に提供できるかが重要になると考えています。
つまり、うまく座れない状態の人は、足の裏や、お尻から、床面に体がついているという感触や、
背骨の関節や、体幹の筋肉から、重力に対して真っ直ぐに伸びているという感覚が脳の中で処理できていないと解釈できます。
これらのことはまた詳しくお話しさせていただきますが、刺激量という意味では、このようなたくさんの感覚から、脳が情報を理解できそうなもの少しずつ選んでいく必要があります。
そのため、すこしずつ感覚をしっかりと感じていく作業が、防火扉をあけていく作業になるのではないでしょうか?
具体的な方法については、またの機会でお話しさせていただければと思います。
では、本日はここまでとさせていただきます。
ご覧いただきありがとうございました。